ホーム > オナクラコラム > オナニーの世界史 > 【まさかのベストセラー】オナニスムはなぜヨーロッパ全土を震撼させたか
2014/11/17

【まさかのベストセラー】オナニスムはなぜヨーロッパ全土を震撼させたか

Pocket

薬

いつもお読みいただきありがとうございます。
オナコラ.com執筆者のK子です。

母の病室においてきてしまったので、随分間が空いてしまいましたが
今日は久々にオナニーの歴史について語っていこうと思います!

今まで何回にもわたってご紹介しているティソのオナニスムですが
この本は決して現在のK子のような「キワモノ好き」のための本ではなく、
実は当時のヨーロッパのベストセラーでした。

1758年にラテン語で最初に発行されたオナニスムはその後
→フランス語(1760)
→イギリス英語(1772)
→ドイツ語(1785までに4版)
→アメリカ英語(1832)

と、それこそ西欧諸国の国境をまたいで翻訳されていた本だったのです。

ではなぜ、オナニスムや、オナニスムによって生まれた「オナニー害悪論」は
広く人々に受け止められたのでしょうか。
実はこの時期に反オナニーの考え方が広く広まった理由には次の3つの時代背景が関係していると、 
医学史研究専門家のE.H.ヘアーは結論づけています。

  1. ちょうどオナニスムが刊行された当時はちょうど時代の境目で
    「何もかも神様や、魔法のせいだ」という考え方がだんだん見直されてきていたのですが
    「それでは不幸はなぜ起こるのか」という疑問に対しての新しい考え方は生まれていなかったから。
    実際に「人が狂ってしまうのは、月光のせいだ!と大真面目に語る書籍も当時はあったそうです。
  2. 病理解剖学という学問の進歩によって
    体調が悪くなると心にどんな影響があらわれるのか」というトピックに
    ちょうど人々が関心を持っていた時期だったから
  3. 「精神病院」というカテゴリーの病院がちょうど誕生したので、
    オナニーと精神病の関係に人が関心を持っていたから

という理由だとのこと。
オナニーを否定することによって当時の人々は
「人の気が狂ってしまうのはオナニーのせいだ」と
数々の災いの原因をオナニーに結論づけることによって
それまでの”神様”に代わる新しい考え方を生み出そうとしていたのでしょうか。

コラム一覧